人工関節 膝関節 手術
人工膝関節全置換術とは?
変形性膝関節症や関節リウマチなどにより変形した関節をセラミック、ポリエチレンなどでできた人工膝関節で入れ替えることで痛みがなくなります。
患者さんの年齢や骨の形状、質によって骨セメントを用いる場合とセメントを使用せずに直接骨に固定する場合とがあります。
手術時間は通常1~2時間程度です。
当院では低侵襲のため術後の疼痛が少なく術後早期に歩行が可能となるため、5泊6日で退院できます。
図1:手術前 |
図2:手術後 |
手術前から手術後の流れは?
入院中のリハビリの流れは?
手術当日
手術当日はベッド上での安静が必要ですが、ベッド操作で座ることや寝返りは可能となります。
翌日まで点滴・心電図・血圧計・血栓防止の機械などを装着します。
血液を排出するための管や尿を排出するための管が入っています。
術後1日目
平行棒内歩行,歩行器歩行
トイレ動作の練習
手術翌日より体調に応じリハビリで動作の練習を行っていきます。
お一人で移動されると危険ですので許可がでるまでは必ず理学療法士または看護師付き添いのもと移動するようにしてください。
手術後1日目のリハビリは午前・午後の1日2回行います。
術後2~3日目
グループエクササイズや杖歩行
1日に2回、個別リハビリとは別に、同じ手術をされた方々で集まり体操をします。
グループエクササイズ |
杖歩行 |
術後4日目~退院日
床への立ちすわりや階段昇降などの練習
床への立ちすわりの練習 |
階段昇降の練習 |
Q&A
- Q:手術後は膝に痛みや違和感が起こりますか?
- A:痛み
個人差がありますが多くの場合、術後に痛みを伴います。痛み止めの内服薬を使用するとともに患部のアイシングや緊張が強くなった筋肉をほぐすなどのリハビリも重要です。 - A:腫れ
膝関節周囲は腫れが生じます。この腫れは手術によって生じた炎症と関節内に溜まった血液によるものです。アイシングや筋肉を柔らかくするリハビリを行うことで、徐々に軽減します。 - A:傷口周囲のしびれ
手術後、傷口周辺にしびれを感じることがあります。これは皮膚表面の神経の症状です。このしびれが問題を起こすことはありませんが、時間経過で改善することがほとんどです。
- Q:退院後家事は出来ますか?
- A:短い時間の立ち仕事は可能です。退院後すぐに買い物などで重い荷物を持って歩くのは手術した足に負担がかかります。食事の宅配サービス・買い置き・弁当などもご検討ください。一人暮らしの場合でもご家族やご近所の方々の助けが得られるなら多くの場合問題ありません。退院後の生活にご心配やご質問がございましたらソーシャルワーカーにご相談ください。
- Q:手術後に正座はできませんか?
- A:人工膝関節手術を行うと、正座をすることはできません。
- Q:手術後どの程度の運動(スポーツ)なら可能ですか?
- A:可能なスポーツはそれぞれの患者様の術前の状態によって左右されます。一般的にはウォーキングや社交ダンス、ゴルフ、山登り、水泳、ボーリングなどの膝関節に負担が少ない運動なら可能です。