術後リハビリーテーション
肩 脱臼 手術
関節鏡視下肩関節唇形成術とは?
関節鏡下肩関節唇形成術とは、反復性肩関節脱臼や肩関節唇損傷などで肩関節の脱臼を繰り返し、理学療法のみでは脱臼を防ぐことができない場合に行われる手術です。
これは肩甲骨と上腕骨(腕の骨)が接している部分の図です。
何らかの原因で損傷を受けた部分を縫い合わせて修復します。
手術前から手術後までの流れは?
入院中のリハビリの流れは?
手術当日
ベッド上の安静が必要ですが、ベッド操作で座ることは可能となります。
また理学療法士が病室に伺い、身体の状態確認や装具の調整、寝る姿勢などの確認を行います。
術後1日目
装具の着脱,更衣動作などの練習
装具の着け方や外し方,衣類の脱ぎ方などの練習を行います。肩関節を動かしてしまうと修復した部分に過度に負担がかかることがありますので、理学療法士の確認のもと練習を行っていきます。
リハビリテーション
反復性肩関節脱臼などは、肩関節以外にも肩甲骨などの他の部位の柔軟性が重要となります。手術直後は肩関節以外の治療が中心となります。また患者さんによっては痛みのない範囲で理学療法士が手術した肩を動かす場合があります。
※入院中に理学療法士が肩を動かしていても、自宅では執刀医や理学療法士の許可がでるまで自分では動かさないようにしてください。
術後2日目
午前中の退院となるため、リハビリは午前のみとなります。
基本的には、身体の状態確認と日常生活がきちんと行うことができるかどうかの確認が中心となります。
退院後のリハビリの流れは?
手術後、約3週までは装具を外した状態でも生活ができるようなリハビリが中心となります。装具固定期間が過ぎると積極的に肩関節の柔軟性向上を図ります。それと同時に体幹や肩甲骨周囲のトレーニングを出来る範囲で行なっていき、術後3ヶ月頃から積極的なトレーニングを開始します。術後4か月以降には可能な練習に徐々に参加し、概ね術後6ヶ月で復帰が可能となります。
手術後3週目のリハビリの様子です。
肩関節の柔軟性向上を図っていきます。
手術後3ヶ月頃のリハビリの様子です。
体幹や肩甲骨周囲のトレーニングを積極的に行ないます。
手術後5ヶ月頃のリハビリの様子です。
スポーツ復帰に向けて,さらにトレーニングの強度を上げていきます。
Q&A
関節鏡視下関節唇形成術に関して良くある質問を以下に載せましたのでご参照ください。
- Q.1 競技復帰までにどれくらいの期間がかかりますか?
- A.1 概ね術後4ヶ月から徐々に練習に参加し,6ヶ月での完全復帰が目標となります。
術後 | 当日 | 1日 | 2日 | 3週 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月以降 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
固定 | 外転装具 | 装具除去 | |||||
活動レベル | リハビリ開始 | 退院 | ランニング 日常生活制限なし |
部分復帰⇒完全復帰へ |
患者さんからの声
10代 男性
- 手術を受ける前の心境は?
- 手術後の率直な感想は?
- これから手術をされる方,手術を受けようかと迷われている方へのアドバイス
初めての手術だったので凄く不安でした。
試合復帰まで半年かかると聞いた時は正直絶望しました。
手術までの準備の説明が分かりやすかったので、スムーズに準備ができました。
一番辛かったのは、おしっこの管です。
麻酔が切れてくると肩の痛みが強くなりしんどくなりますが、氷などで冷やすと痛みが和らぎました。
腕に力が入りにくかったけど,徐々に力が戻ってきました。
手術は誰でも不安になると思います。でも先生が分かりやすく手術の内容や手術をした後の手順を説明してくれるので大丈夫です。僕はラグビーをしていて試合中に肩を脱臼して手術をしました。
手術をした後は筋力が弱くなりましたが、毎週あんしんクリニックへ通いリハビリをしたり、家でもトレーニングをする事によって体の鍛え方などを理解できたし、手術をする前より質の良い体になったと思います。
焦らなくて良いです。しっかりゆっくりと段階を踏んでいく事が同じ怪我を繰り返さない一番良い方法だと思います。
腰椎椎間板ヘルニア 手術
腰椎椎間板切除術とは?
椎間板ヘルニアでは椎間板の中の髄核と呼ばれる部分が神経を圧迫し、腰痛や下肢の疼痛、痺れ、筋力低下などの症状を引き起こします。MEDは内視鏡を使用し、症状の原因となっている髄核を取り出す手術で、従来の方法より切開が小さく16mmの切開となっておりますので、痛みが少なく早期の退院・社会復帰が可能となっております。当院の入院期間は1泊2日となっております。
手術前から退院後までの流れは?
入院中のリハビリの流れは?
手術当日
手術後は3時間のベッドでの安静の後に、看護師とともに離床を行います。 その後は歩行器を使用して歩行が可能となり、トイレなど病院内の移動が許可となります。 |
術後翌日 退院日
手術翌日では体調や痛みに応じ、リハビリを行っていきます。
術後2日目の朝まで血を排出する管が入っていますので食事などの移動の際は看護師が介助を行います。
リハビリ内容は下記の通りです。
・ベッドもしくは床からの寝起きの練習
手術をした部分に負担がかからないような動作の方法を練習します。
・歩行練習
手術翌日より歩行器なしでの歩行を開始します。
Q&A
- Q:1泊2日での退院は大丈夫でしょうか?
- A:手術での切開が少ないことや術前の症状は術後には多くの場合は症状が改善されますので、1泊2日での退院が可能です。ただ手術してすぐの場合は、体を丸めたり、捻るような動きは控えるようにしてください。
腰部脊柱管狭窄症 腰椎辷り症 手術
腰椎固定術とは?
腰部脊柱管狭窄症や腰椎すべり症により神経が圧迫される原因となる部分を切除し、骨を移植して背骨を固定する手術です。
当院では低侵襲の手術方法を採用し創が26mmと小さい切開で実施しております。
従来の大きく切開する手術方法よりも術後の痛みは少なく、入院期間は4泊5日と早期の退院・社会復帰が可能です。
手術前から退院後までの流れは?
入院中のリハビリの流れは?
手術当日
手術後はベッドでの安静が必要です。起き上がったりトイレに立ったりはできません。 寝返りはできますが、腰をひねらないようにするために看護師の介助が必要です。 |
術後翌日
手術翌日よりコルセットを着用します。体調や痛みに応じリハビリを行っていきます。
術後2日目の朝まで血液を排出する管が入っていますので食事などの移動の際は看護師が介助を行います。リハビリ内容は下記の通りです。
・コルセット装着練習
コルセットは術後3ヶ月間装着していただきます。正しい装着方法を練習します。
・寝起きの練習
手術をした部分に負担がかからないような動作の方法を練習します。
・歩行練習
手術翌日より歩行練習を開始します。
・トイレ動作の練習
トイレまでの移動や立ち座りの動作が安全にできるように練習します。
術後2日目
早朝に血液を排出する管を医師が抜きます。
前日にトイレまでの移動や立ち座り動作が安全に行えていれば、同時に尿を排出するための管も看護師が抜きます。
杖歩行またはなにも使わずに歩く練習を理学療法士とともに行います。
術後3日目~退院日
必要に応じて階段昇降や床からの立ち座りの練習を行います。 |
Q&A
- Q:コルセットは1日中つけるのでしょうか?
- A:原則的に着替えのときと入浴のとき以外は使用してください。術後1ヶ月からは就寝時ははずしていただいて構いません。
- Q:コルセットをとったあと(術後3ヶ月以降)はスポーツをしてもいいですか?
- A:ぶつかったり、ころぶような激しいスポーツ以外はしていただけます。コルセットがとれる時期には手術した部分がしっかりしておりますので、体をかがめたり、捻るような動きもしていただいてかまいません。
- Q:1人暮らしでも大丈夫ですか?
- A:はい。ただし、生活しやすいようにベッドやシャワーチェアの導入が必要な場合がございます。食事については、宅配サービスなどの利用で負担が軽減できます。詳細は相談員に相談してください。
半月板 手術
半月板切除術・縫合術とは?
当院ではスポーツや日常生活で膝に強い衝撃が加わったり、捻ったりして半月板(膝のクッション材)を損傷された患者さんに対して、半月板切除術や縫合術を行います。
切除術は損傷した部分を取り除く手術で、縫合術は損傷した部分を縫い合わせる手術です。どちらも関節鏡を使用するため身体への影響を最小限に抑えて手術を行います。
半月板切除術の場合は手術したその日に退院することが可能です。
半月板縫合術の場合は身体への負担を考慮して1泊入院した後に退院して頂きます。
手術前から退院後までの流れは?
入院中のリハビリの流れは?
半月板切除術
手術当日
手術後はリカバリー室で体を休めて頂いた後に退院となります。
退院時は松葉杖なしで歩くことが可能ですが、状態に応じて松葉杖を使用して頂くこともあります。
半月板縫合術
手術当日
手術当日はベッド上での安静が必要です。
患部をアイスバッグで常に冷やし、膝をできる限り伸ばし、足を挙上させておくようにします。
痛みの無い範囲で足首を動かして血液の循環を良くするようにします。
術後翌日
術後翌日は松葉杖歩行を練習し、痛みの無い範囲での可動域練習や膝に力を入れる運動や退院に向けて階段練習や床上練習を行った後、退院となります。
半月板縫合術後は修復した部分の回復を阻害しないため、一定期間の荷重の制限を行うことがあります。
患者さんによって多少の違いがありますが、その場合は術後2週間~3週間で松葉杖なしでの歩行が可能となります。
Q&A
- Q:手術前にしてはいけない事は何ですか?
- A:炎症症状の悪化の可能性がありますのでスポーツ動作は避けてください。
- Q:ジョギングなどはいつからですか?
- A:術後1ヶ月からランニングなどが開始することが出来ます。
- Q:術後はすぐに体重をかけても良いですか?
- A:半月板縫合術後は、荷重の制限を行う場合がございます。その場合は術後2週間~3週間で松葉杖なしでの歩行が可能となります。
- Q:痛みや腫れはいつまで続きますか?
- A:腫れは、術後1ヵ月ほどでおさまってきます。痛みは、術後3ヵ月までにおさまるようにリハビリを進めていきます。
- Q:いつから通学してもいいですか?
- A:通学手段にもよりますが、退院後早期に通学は可能です。しかし、長時間立っていたり、歩いたりすることで腫れを増大させてしまう恐れがあるので、膝に負担をかける動作をできるだけ控えるように指導しています。
- Q:いつから仕事をしてもいいですか?
- A:仕事内容によりますが、デスクワークなど低負荷であれば、退院後早期に仕事復帰可能です。通勤手段、仕事内容によっては、術後早期の仕事復帰ができない場合がありますので、手術前に主治医にご相談ください。
膝 靱帯 手術
前十字靭帯再建術とは?
前十字靱帯再建術は、スポーツなどで損傷した靭帯の部分に自分の膝関節周囲の筋肉の腱を採取し移植する手術です。
当院で実施している再建術は2種類あります。
1つは内側のハムストリングス(ももの後ろ)を移植腱として使用する方法です。
もう1つは骨付き膝蓋腱というお皿の下にある腱を移植腱として使用する方法です。
どちらも関節鏡を使用するため、身体への影響を最小限に抑えて手術を行います。
当院では、低侵襲かつ固定性が良好となる術式を用いておりますので、早期機能回復、早期退院を実現しております。
診察時に、スポーツや年齢、性別などを考慮して主治医がどちらの術式を選択するか決定します。
ハムストリングス | 骨付き膝蓋腱 | |
---|---|---|
特長 |
・大腿四頭筋の回復が早い ・再建靭帯の治癒が遅い ・ハムストリングスの回復が遅い |
・再建靭帯の固定性が良い ・再建靭帯の治癒が早い ・大腿四頭筋の回復が遅い ・膝前面に痛みが残る可能性がある |
手術前からスポーツ復帰までの流れは?
入院中のリハビリの流れは?
手術当日
手術当日はベッド上での安静が必要です。
患部をアイスバッグで常に冷やし、膝をできる限り伸ばし、足を挙上させておくようにします。
痛みの無い範囲で足首を動かして血液の循環を良くするようにします。
術後1~3日目
術後1日目からは、松葉杖歩行を練習し、痛みの無い範囲での可動域練習や膝に力を入れる運動を行います。2日目からは、退院に向けて階段練習や床上練習を行います。
退院後のリハビリの流れは?
術後初期
早期に正常歩行を獲得しトレーニングレベルを徐々にあげていきます。移植した靭帯が6~8週で一番弱い時期になるため焦りは禁物です。
術後3ヵ月~
靭帯が強くなり始め、ランニング、ダッシュ、方向転換など、トレーニングをレベルアップさせていきます。
この時期から積極的に筋力強化を図るため、関連施設のフィットネスクラブアガーラでのトレーニングも行っていきます。
術後5ヵ月~
復帰に向けてさらに強度を上げて準備を進め、状態を見ながら練習へ復帰していきます。この時期からアジリティのトレーニングが増えていきます。
術後6ヵ月~
練習に復帰し動作、痛み、恐怖感など問題なければ、本格的に試合へ復帰していきます。練習・試合復帰後のパフォーマンスを最終調整していきます。
※スケジュールはあくまでも目安ですので患者さんの状態によって時期が前後する場合があります。
Q&A
- Q:手術前にしてはいけない事は何ですか?
- A:炎症症状の悪化や膝折れの可能性があるジョギングやジャンプ、ダッシュ、ストップ、方向転換などスポーツ動作は避けてください。
- Q:リハビリはどんな服装がいいですか?
- A:更衣室がございますので、トレーニング用のシャツ、膝が見えるハーフパンツ、運動用シューズをご用意ください。
- Q:術後は装具をつけなくても良いですか?
- A:当院では装具は着用しません。装具を装着しなくても靭帯の回復には影響しないと言われています。手術内容によっては着用する場合もあります。
- Q:術後はすぐに体重をかけても良いですか?
- A:当院では免荷は行いません。手術内容によっては荷重制限を設ける場合もあります。
- Q:半月板も同時に手術するとどうなりますか?
- A:同時に半月板を切除した場合、一般的には将来、変形性膝関節症の発症を高める可能性があると言われています。そのため、できる限り半月板を縫合する方法をとっており、その場合は術後に荷重制限を設けることもあります。
- Q:スクリューはいつか抜きますか?
- A:当たって痛むなど問題がない限り、抜くことはありません。
- Q:抜糸はいつしますか?
- A:術後7日~10日程度で抜糸します。抜糸後、数ヶ月して傷口はきれいに目立たなくなっていきます。術式によっては抜糸を行わない縫合方法もあります。
- Q:痛みや腫れはいつまで続きますか?
- A:腫れは術後1ヵ月ほどでおさまってきます。痛みは術後3ヵ月までにおさまるようにリハビリを進めていきます。
- Q:いつから通学してもいいですか?
- A:通学手段にもよりますが退院後早期に通学は可能です。しかし長時間立っていたり歩いたりすることで腫れを増大させてしまう恐れがあるので、こういった膝に負担をかける動作をできるだけ控えるように指導しています。
- Q:いつから仕事をしてもいいですか?
- A:仕事内容によりますがデスクワークなど低負荷であれば、退院後早期に仕事復帰可能です。通勤手段、仕事内容によっては術後早期の仕事復帰ができない場合がありますので手術前に主治医にご相談ください。
- Q:何故スポーツ復帰まで半年間かかるのですか?
- A:再建した靭帯がスポーツをしても問題ない強度まで治癒するのに約3ヵ月必要とされています。そのため術後3ヵ月からランニングなどのトレーニングを徐々に開始していき、半年でのスポーツ復帰を目指します。
また半年経過すれば復帰できるのではなく、痛みの改善、筋力の向上、膝に負担がかからない動作の習得、恐怖感の払拭などが必要となります。
- Q:再発はどのくらいの可能性がありますか?
- A:一般的には5%程度で靭帯の再断裂(反対側の断裂含む)が起こるとされています。当院で手術された方の再断裂率は2.6%です(2007年~2011年の集計結果より)。
野球肘 手術
肘関節モザイクプラスティーとは?
肘関節モザイクプラスティーは、肘の離断性骨軟骨炎に対して行われる手術です。離断性骨軟骨炎の多くは10~17歳の子供に起こりやすく、肘に負担がかかりやすい野球や体操選手などに多く発生すると言われています。進行すると痛みが強くなり、肘が動かしづらくなります。
下の図は,正常な肘(図1)と離断性骨軟骨炎を呈している肘(図2)です。
肘に繰り返し負担がかかると骨軟骨がはがれていきます(図2の○部)。
手術は肘または膝から採取した骨軟骨を肘のはがれた部分に移植し修復します。
図1:正常な肘 |
図2:離断性骨軟骨炎を呈した肘 |
手術前からスポーツ復帰までの流れは?
入院中のリハビリの流れは?
手術当日
リハビリはありません。
術後翌日(退院日)
午前中に退院するためリハビリは午前のみです。
手術直後は、腕の筋肉が張ってくるためアイシングやマッサージなどを行い肘の機能の改善を図ります。
また肘の機能の改善のみならず肘への負担を減らすために肩や股関節など他の部位の柔軟性や筋力の向上、動作の修正にも努める必要があります。そのため、手術直後から肘関節を含めた全身のリハビリを進めます。
さらに手術により膝の骨軟骨を採取した場合は、膝への負担を減らすために松葉杖を使用します。
そのため、松葉杖で歩行や階段の練習を行います。
個人差はありますが退院後1~2週間で膝の痛みが軽減し、松葉杖を使わず歩けるようになります。
術後経過は?
手術後は痛みのない範囲で肘関節を動かしていきます。
また投球復帰に向けて肩関節や股関節のコンディショニングの向上を図ります。
術後2ヶ月からシャドーピッチングを開始し、術後3ヶ月で実球開始となりますが、投球後の炎症など状態が悪化しないように注意を払います。
術後5~6ヶ月で完全復帰が可能となります。
退院後のリハビリテーションについては、あんしんクリニックのホームページを参照してください。
手術後1~3週目の様子です。 痛みのない範囲で肘のリハビリを開始していきます。 肩など他の部位への筋力強化も一緒に行います。 |
|
手術後2~3ヶ月目の様子です。 投球復帰に向けてフォームの修正を図っています。 |
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手術後5ヶ月目の様子です。 完全復帰に向けてフォームの最終チェックをしています。 |
Q&A
- Q:手術前にしてはいけない事は何ですか?
- A:炎症症状の悪化の可能性がありますのでスポーツ動作は避けてください。
- Q:ジョギングなどはいつからですか?
- A:術後1ヶ月からランニングなどが開始することが出来ます。
- Q:投球開始時期はいつからですか?
- A:術後2ヶ月でシャドーピッチングを始め、術後3ヶ月で徐々にボールを使用しての投球を開始、術後5~6ヵ月での完全復帰を目指します。
患者さんからの声
10代 男性(手術時13歳) 種目:野球(ポジション:投手)
- 手術を受ける前の心境
- 手術後の率直な感想
- これから手術をされる方,手術を受けようか迷われている方へのアドバイス
緊張もしてすごく不安でした。
ボールを投げることができるまでの期間が3ヶ月後と聞いたので「そんなに投げれないのか」と思いました。
それに、膝から肘へ移植すると聞いたので「足が遅くならないのかな」と心配になりました。
でも野球復帰するために頑張ろうと思いました。
麻酔が切れてくると肘と膝がすごく痛かったです。
トイレに行く時などは杖を使って歩きました。
歩くと足が痛くなりました。
また最初の期間は膝が全然曲がりませんでした。
手術は行うのはみんな嫌だと思います。
手術前に手術の内容や手術後について分かりやすく説明してくれます。
野球で肘を壊して手術することになりました。
手術後は毎週三宮にあるクリニックに行ってリハビリをする事で徐々に肘もよくなり今は手術前よりも良くなっているなと思います。
手術後は焦らずにしっかりとリハビリをすることが大切です。
僕は手術することが同じ怪我を繰り返さない良い方法だと思いました。
腱板断裂 手術
関節鏡下腱板修復術後とは?
当院では肩の腱(腱板)が切れた影響で「肩が挙がらない」「肩が痛い」ために生活や仕事に支障がある患者様に対して、腱板を縫い合わす手術(腱板修復術)を行っています。
腱板修復術を受けられた方は、2泊3日の入院中に理学療法士とともにリハビリ行います。
このページでは腱板修復術を受けられる場合のリハビリの流れを以下に記載しています。
手術前から退院後までの流れは?
手術後の装具固定
腱板修復術後は修復した部分の回復を阻害しないため、一定期間の固定を行います。 腱板修復術を受けられた方は術後3~6週の間、装具を装着して頂きます。 装具の大きさは断裂の程度によって多少異なる場合があります。 図は当院で使用している装具となります。 |
入院中のリハビリの流れは?
手術当日
ベッド上の安静が必要ですが、ベッド操作で座ることは可能となります。
理学療法士が病室に伺い身体の状態確認や装具の調整、寝る姿勢などの確認を行います。
術後1日目
1.装具の着脱,更衣動作などの練習
装具の着け方や外し方、衣類の脱ぎ方などの練習を行います。
肩関節を動かしてしまうと修復した部分に過度に負担がかかることがありますので、理学療法士の指導に基づいて練習を行っていきます。
2.リハビリテーション
腱板修復術後のリハビリでは、肩関節以外に肩甲骨など他部位の柔軟性も非常に重要となります。
入院中のリハビリは、痛みや炎症の悪化を考慮し肩甲骨や肘のストレッチなど、肩関節以外の治療が中心となります。
ただし患者さんによっては痛みのない範囲で理学療法士が手術した肩を動かす場合があります。
※入院中に理学療法士が肩を動かしていても、自宅では執刀医や理学療法士の許可がでるまで自分では動かさないようにしてください。
術後2日目
退院日となるため、リハビリは午前のみとなります。
身体の状態確認と日常生活をきちんと行うことができるかどうかの確認、自宅でのリハビリメニューの復習が中心となります。
術後経過は?
術後約3週間の装具固定期間が過ぎると、徐々に肩関節ならびに肩甲骨の動きの改善を図ります。
術後6~8週で車の運転が可能になり、術後3ヶ月頃から徐々に負荷をかけていきます。
術後半年以降に肩の状態に応じてゴルフなどのスポーツも可能になります。
退院後のリハビリテーションについてはあんしんクリニックのホームページを参照してください。
手術後3週目の様子です。 装具を外した状態でのリハビリを開始していきます。 |
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手術後2~3ヶ月目の様子です。 徐々に肩の筋肉強化を図っていきます。 |
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手術後6ヶ月以降の様子です。 仕事・スポーツ復帰に向けてトレーニング強度を上げていきます。 |
Q&A
- Q:車の運転はいつ頃からできますか?
- A:手術後6~8週が目安となります。この数字はあくまでも目安であり執刀医の許可が必要となります。※腱の切れ方(断裂サイズ)によって目安となる時期は異なります。
- Q:重たい物はいつ頃から持てますか?
- A:手術後3ヶ月以降に2kg程度のものから持てるようになります。ただし筋力や肩の動きに応じて時期が遅れることもありますので、執刀医・理学療法士と相談しながら負荷量を調節していきます。※腱の切れ方(断裂サイズ)によって目安となる時期は異なります。
- Q:一人暮らしの場合でも問題ないですか?
- A:一人暮らしの方でも腱板修復術を受けられる方はいらっしゃいます。退院後に不便が出ないか住宅環境等含めて指導致します。どうしても2泊3日の入院期間では厳しいという方に関して一定期間転院することは可能です。
人工関節 股関節 手術
人工股関節全置換術とは?
人工股関節全置換術は変形性股関節症や関節リウマチ、大腿骨頭壊死症などで痛みが生じ、薬物療法や理学療法で症状が改善しない場合に行われる手術です。
股関節は骨盤と大腿骨(太ももの骨)から出来ています。
健康な股関節の場合(向かって右側)は骨盤と大腿骨の間に隙間がありますが、変形性股関節症の場合(向かって左側)は骨盤と大腿骨の隙間がありません。
これが軟骨が磨耗している状態です。
人工股関節全置換術は、痛んだ関節の部分だけを取り除いて人工の関節に変える手術です。
骨盤と大腿骨の関節部分に白く写っている金属(チタン合金)を入れており、その間にポリエチレンとセラミックボールが入っています。
手術前から社会復帰までの流れは?
手術を申し込まれてから約1-2か月間の手術前リハビリを実施しています。
また手術までの間にソーシャルワーカーによる手術前説明を行います。
入院は手術当日です。
術後のリハビリは1日2回行い、5泊6日での退院となります。
退院後は執刀医による定期的な診察や外来リハビリ(週1-2回)を行います。
入院中のリハビリの流れは?
手術当日
ベッド上での安静が必要ですが、ベッド操作で座ることや寝返りは可能です。
痛みの無い範囲で足首を動かして血栓を予防するようにします。
術後1~2日目
平行棒内歩行,歩行器歩行
手術翌日より歩行練習を開始します。
平行棒や歩行器を使用して理学療法士とともに歩く練習をしていきます。
グループエクササイズ
1日に2回、個別リハビリとは別に同じ手術をされた方々で集まり体操をします。
杖歩行
杖歩行の練習を理学療法士とともに行います。
術後3日目~退院日
階段昇降や床への立ちすわりなどの練習
杖歩行が安定してくれば,階段の練習や床への立ちすわりの練習を行います。
患者さんのご自宅の環境に応じて、自宅での生活に必要な動作の練習をします。
Q&A
- Q:人工股関節手術後の経過は何に影響されますか?
- A:患者さんの手術前の状態や手術前および手術後のリハビリテーションの実行度合いに左右されます。
- Q:手術までリハビリは必要ですか?
- A:もちろん必要です。手術後の回復は術前の状態に大きく左右されます。手術後の経過を良好にするためにも理学療法士から指導された運動を積極的に行って頂く必要があります。
- Q:手術後、股関節に痛みや違和感がありますか?
- A:人工股関節全置換術は大きな手術ですので多くの場合手術後に痛みを伴います。痛み止めの服用と共に理学療法士によるリハビリを行うことで可能な限り痛みを軽減します。
- Q:その他の症状についてはどのようなものがありますか?
- A:傷口周りの痺れです。手術後しばらくは傷口の周りに違和感が残ります。これは手術時に皮膚の表面の神経を切るためです。術後の経過とともに改善していきます。
- A:足の長さの違いです。多くの場合、手術中に左右の足の長さを揃えますが手術後は筋肉の緊張により足の長さに違いを感じることがあります。これは手術後のリハビリにより改善していきます。
- Q:退院後家事は出来ますか?
- A:短い時間の立ち仕事は可能です。退院後すぐに買い物などで重い荷物を持って歩くのは手術した足に負担がかかります。食事の宅配サービス・買い置き・弁当などもご検討ください。一人暮らしの場合でもご家族やご近所の方々の助けが得られるなら多くの場合問題ありません。退院後の生活にご心配やご質問がございましたらソーシャルワーカーにご相談ください。
- Q:手術後どの程度の運動なら可能ですか?
- A:ウォーキングやダンス、ゴルフ、ハイキング、スイミング、ボーリング、ガーデニングなどの股関節に負担の少ない運動なら可能です。
人工股関節全置換術後に行えるスポーツ | ||
---|---|---|
奨励されるもの | 熟練者であればできるもの | 奨励できないもの |
ゴルフ | ウェイトリフティング | テニス |
スイミング | スキー | ジョギング |
ダンス | アイススケート | スノーボード |
ウォーキング | ピラティス | サッカー |
ハイキング | ラグビー | |
ボーリング | 野球/ソフトボール | |
サイクリング | 激しいエアロビクス | |
軽いエアロビクス | バスケットボール | |
マシントレーニング | ハンドボール |
人工関節 膝関節 手術
人工膝関節全置換術とは?
変形性膝関節症や関節リウマチなどにより変形した関節をセラミック、ポリエチレンなどでできた人工膝関節で入れ替えることで痛みがなくなります。
患者さんの年齢や骨の形状、質によって骨セメントを用いる場合とセメントを使用せずに直接骨に固定する場合とがあります。
手術時間は通常1~2時間程度です。
当院では低侵襲のため術後の疼痛が少なく術後早期に歩行が可能となるため、5泊6日で退院できます。
図1:手術前 |
図2:手術後 |
手術前から手術後の流れは?
入院中のリハビリの流れは?
手術当日
手術当日はベッド上での安静が必要ですが、ベッド操作で座ることや寝返りは可能となります。
翌日まで点滴・心電図・血圧計・血栓防止の機械などを装着します。
血液を排出するための管や尿を排出するための管が入っています。
術後1日目
平行棒内歩行,歩行器歩行
トイレ動作の練習
手術翌日より体調に応じリハビリで動作の練習を行っていきます。
お一人で移動されると危険ですので許可がでるまでは必ず理学療法士または看護師付き添いのもと移動するようにしてください。
手術後1日目のリハビリは午前・午後の1日2回行います。
術後2~3日目
グループエクササイズや杖歩行
1日に2回、個別リハビリとは別に、同じ手術をされた方々で集まり体操をします。
グループエクササイズ |
杖歩行 |
術後4日目~退院日
床への立ちすわりや階段昇降などの練習
床への立ちすわりの練習 |
階段昇降の練習 |
Q&A
- Q:手術後は膝に痛みや違和感が起こりますか?
- A:痛み
個人差がありますが多くの場合、術後に痛みを伴います。痛み止めの内服薬を使用するとともに患部のアイシングや緊張が強くなった筋肉をほぐすなどのリハビリも重要です。 - A:腫れ
膝関節周囲は腫れが生じます。この腫れは手術によって生じた炎症と関節内に溜まった血液によるものです。アイシングや筋肉を柔らかくするリハビリを行うことで、徐々に軽減します。 - A:傷口周囲のしびれ
手術後、傷口周辺にしびれを感じることがあります。これは皮膚表面の神経の症状です。このしびれが問題を起こすことはありませんが、時間経過で改善することがほとんどです。
- Q:退院後家事は出来ますか?
- A:短い時間の立ち仕事は可能です。退院後すぐに買い物などで重い荷物を持って歩くのは手術した足に負担がかかります。食事の宅配サービス・買い置き・弁当などもご検討ください。一人暮らしの場合でもご家族やご近所の方々の助けが得られるなら多くの場合問題ありません。退院後の生活にご心配やご質問がございましたらソーシャルワーカーにご相談ください。
- Q:手術後に正座はできませんか?
- A:人工膝関節手術を行うと、正座をすることはできません。
- Q:手術後どの程度の運動(スポーツ)なら可能ですか?
- A:可能なスポーツはそれぞれの患者様の術前の状態によって左右されます。一般的にはウォーキングや社交ダンス、ゴルフ、山登り、水泳、ボーリングなどの膝関節に負担が少ない運動なら可能です。