人工股関節全置換術

変形性股関節症・大腿骨頭壊死症

手術

股関節

THA

人工股関節全置換術とは

人工股関節全置換術は、変形性股関節症や関節リウマチ、大腿骨頭壊死症などで
痛みが生じ、薬物療法やリハビリで症状が改善されない場合に行われる手術です。
人工股関節は、骨盤と大腿骨に金属(チタン合金)を入れており、その間に
セラミックボールとポリエチレンが入っています。

当院の人工股関節全置換術の特徴

当院の人工股関節全置換術は前方進入もしくは前側方進入で行います(前側もしくは前横側に傷口が出来ます)。この方法では筋肉を切らずに手術を行うため、後ろ側(お尻に傷が出来ます)や横側から行う手術よりも早く回復します。

手術後の流れ

●手術〜退院(約1週間)
術後翌日からリハビリを開始 (早期離床)し、退院に向けて理学療法士とともに必要な動作を練習していきます。
※詳細は「入院中の流れ」に記載しております。


退院後~術後1ヶ月
自宅でも杖や歩行補助具を使用していただきます。
家事も控えめに行っていただくことが望ましいです。
術後1ヶ月~2ヶ月
散歩や買い物などの外出をしていただけます。
許可が出ればデスクワークへの仕事復帰や車の運転、公共交通機関の利用ができるようになります。

●術後2ヶ月~3ヶ月
自転車の運転ができるようになります。
また、この時期から正座もできるようになります。


●術後3ヶ月~
力仕事への復帰や、スポーツ活動の再開、趣味や旅行ができるようになります。

入院中の流れ(手術後より)

手術当日
手術後はベッドでの安静が必要です(ベッドから足を下ろしたり、トイレに行くことはできません)。ただし、ベッド操作で背もたれを起こすことや、寝返りは可能です。
※股関節に負担をかけないようにするため、寝返りは看護師の介助が必要です。
翌日までは「点滴・心電図・血圧計・血栓防止のポンプ」を装着します。
また、血液を排出する管や、尿を排出する管が入っています。

【術後の状態】
術後1日目
リハビリは午前・午後の1日2回、理学療法士とともに行います。
体調や痛みに応じて歩く練習やトイレに行く練習を行っていきます。
術後1日目は尿を排出する管が入っているので、許可が出るまでは必ず看護師または
理学療法士付き添いのもと、移動するようにしてください。
・歩行器歩行練習
 理学療法士とともに歩行器を使って歩く練習をします。
・寝返り・起き上がりの練習
  手術をした部分に負担がかからないような動作の方法を練習します。
・トイレ動作の練習
  トイレまでの移動や立ち座りの動作が安全に行えるように練習します。
 トイレ動作が安全に行えるようになれば、尿を排出する管を抜き、ご自身でトイレに行くことができるようになります。
術後2~3日目
・杖歩行練習
 歩行器歩行ができるようになれば、杖歩行の練習を開始します。
・階段昇降練習
 杖歩行が安定してくれば、階段昇降の練習を行います。
●術後4日目~退院日
・日常生活動作の練習
 床への立ち座りの練習など、ご自宅の環境に応じた動作練習を行います。
・退院後のリハビリ指導
 パンフレットを用いて自宅で行っていただくリハビリをお伝えします。

Q & A

Q:手術後、股関節に痛みや違和感が出ますか?
A:多くの場合手術後に痛みを伴います。痛み止めの服用と、リハビリにより痛みは軽減します。
Q:その他の症状についてはどのようなものがありますか?
A:傷口周りに痺れが生じる場合があります。これは手術時に皮膚の表面の神経を切るためです。術後の経過とともに改善していきます。
Q:退院後家事は出来ますか?
A:短い時間の立ち仕事は可能です。退院後すぐの買い物などは手術した足に負担がかかります。食事の宅配サービス・買い置き・弁当などもご検討ください。一人暮らしの場合でもご家族の方などの助けが得られるなら問題ありません。退院後の生活にご心配があれば社会福祉士にご相談いただくことが可能です。
Q:手術後どの程度の運動なら可能ですか?
A:ウォーキングやダンス、ゴルフ、ハイキング、スイミング、ボーリング、ガーデニングなどの股関節に負担の少ない運動なら可能です。
〇行ってもよい△注意して行う×推奨できない
ゴルフ
スイミング
ダンス
ウォーキング
ボーリング
サイクリング
登山
テニス(ダブルス)
スキー
ピラティス



ジョギング
サッカー
野球
テニス(シングルス)
スノーボード
バスケットボール
ジャンプ等の競技

入院中の歩行動画

当院で人工股関節全置換術を受けられた患者さんのリハビリでの歩行評価と練習風景です👇。
参考までにご覧ください(入院中の経過には個人差があります)。
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