腰椎固定術とは
腰椎固定術は、神経を圧迫している腰の骨や分厚くなった靭帯を取り除き、ずれた骨をスクリューと自家骨(削った骨)で固定する手術です。
手術後1ヶ月間はコルセットを装着し、手術した部分に負担がかからないようにします。
1ヶ月以降は医師の許可のもと、コルセットを外すことが可能になり、腰を曲げる・ひねるなどの動きも徐々にしていただくことができるようになります。
手術後の流れ
●手術〜退院(約5日間)
術後翌日からリハビリを開始 (早期離床)し、退院に向けて理学療法士とともに必要な動作を獲得していきます。
※詳細は「入院中の流れ」に記載しております。
●退院後
家事、散歩、買い物などの外出ができます。
※動く量は少しずつ増やすようにしましょう。
●術後1〜2週間
退院後初回の診察で主治医の許可があれば、デスクワークなどの仕事復帰や、自動車の運転ができるようになります。
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●術後1ヶ月〜
主治医の許可があれば、コルセットがとれます。
腰を曲げる・ひねるなどの動きをしていただいても構いません。
重いものを持ったり、自転車に乗ることができます。
●術後3ヶ月~
入院中の流れ
●手術当日
手術後はベッドでの安静が必要です。起き上がったりトイレに行くことはできません。
尿を排出する管や、手術した部分に血が溜まらないようにする管が入っています。
翌日まで「点滴」、「心電図」、「血圧計」、「血栓防止のためのポンプ」を装着します。
寝返りはできますが、腰をひねらないようにするために、看護師の介助が必要です。
●術後1日目
朝食前に看護師とともに寝たまま着替えをし、コルセットを装着します。
リハビリは午前・午後の1日2回、理学療法士とともに行います。
体調や痛みに応じて歩く練習やトイレに行く練習を行っていきます。
術後2日目の朝まで血を排出する管が入っているので、必ず看護師または理学療法士の付き添いのもと、移動するようにしてください。
・コルセット装着練習
コルセットは術後1ヶ月間使用していただきます。
ご自身で正しく装着できるよう練習します。
・寝返り・起き上がりの練習
手術をした部分に負担がかからないような動作の方法を練習します。
・歩行器歩行練習
歩行器を使って歩く練習をします。
・トイレ動作の練習
トイレまでの移動や立ち座りの動作が安全に行えるように練習します。
●術後2日目
血を排出する管を抜きます。前日にトイレまでの移動や立ち座り動作が安全に行えていれば、同時に尿を排出するための管も抜きます。
管を抜いた後は、ご自身でトイレに行くことができます。
・歩行練習
歩行器歩行ができるようになれば、杖または、なにも使わずに歩く練習を行います。
●術後3日目~退院日
・日常生活動作の練習
階段昇降や床からの立ち座りの練習を行います。
そのほかにも各患者様のご自宅の環境に応じて、必要な動作の練習を行います。
手術後の症状について
腰椎固定術をされる患者さんが手術前にお困りになる症状の多くが、
「足やおしりの痛みやしびれ」、「連続で長く歩くことが難しい」です。
※術後の状態には個人差がありますので参考程度にお読みください。
痛みやしびれは、手術後から徐々に改善し、術後1ヶ月には大きく改善が得られます。
ただし、しびれについては、痛みよりも、改善するまでに時間がかかります。
手術前は、数mや数分歩くと足に痛みやしびれが出現し、それ以上歩くことができなくなる方が多くいらっしゃいます。
手術後は、術後1ヶ月で歩くことができる距離が増え、1ヶ月以降も少しずつ改善します。
Q & A
Q:手術後はどのくらい歩けますか?どのくらい歩いてもいいのでしょうか?
A:自宅周りから散歩や買い物ができます。ただ術後早期は炎症が残っていますので痛みが増えないように、徐々に歩く量を増やすようにしてください。
Q:退院の時に杖や松葉杖は必要ですか?
A:必要に応じて杖などの補助具を使用して退院していただきます。杖などがあれば、持参してください。なお、杖は入院中に連携業者より購入も可能です。
Q:お風呂はいつから入っていいですか?
A:退院後初回の診察時に医師が傷口の状態を確認し、時期を決定します。
Q:高いところのものをとったり、洗濯物を干すなど体を反らしてもいいですか?
A:腰を曲げる・ひねる動作以外は可能です。重いものを持つことは術後1ヶ月間は控えてください。
Q:退院後の外来でのリハビリの頻度と期間は?
A:退院後1ヶ月間は週1回、状態が落ち着けば2週間に1回程度通院していただきます。痛みの程度や筋力などの状態にもよりますが、リハビリ通院期間は3ヶ月から6ヶ月です。
リハビリでの歩行評価と練習風景
当院で腰椎固定術を受けられた患者さんのリハビリでの歩行評価と練習風景です👇。
参考までにご覧ください(入院中の経過には個人差があります)。